閉鎖的なAppleが閉鎖的なFlashを追い出してことで切り開かれた「自由」への道

Flashはまるで喉に刺さった魚の骨のようだ。」by bobcoffee

前回書いた
なぜどの企業もWintelの壁が崩せなかったか。をApple iPhone/iPadに見る。
http://d.hatena.ne.jp/bobcoffee/20100625/p1
の中に書いた
>ソフト面の利便性で
の部分は何もハードの部分の問題点を隠すという事だけの事ではない。

AppleiPhone/iPadではFLASHSilverlightといったウェブ用プラグインでは無く、オープンなHTML5を採用したのもソフト面の利便性を最大化する為の結果だろう。もしFLASHAndroidよりも先んじて対応していたならAndroidに付け入る隙をほとんど与えずに済むにも関わらずである。

FLASHSilverlightAdobeマイクロソフトといった企業に開発が依存されてしまう為、パソコン向けのOSにしか対応していなかったり、x86以外のCPUはサポートが遅れたり、サポートしなかったりとパソコンにおいてシェアの多かったWindows+x86向けの開発が優先されていた歴史があった。外部のしかも単一企業にWEBの基本部分を握られる事によって製品開発が振り回される事がないようにという考え方からだろう。

実はこれもWintelの寡占状態を長年に渡って許してきた一つの理由でもある。既にシェアを取った規格にハードもソフトもサポートが割かれる為より一層、他のCPUやOSが競争出来る環境にならないという事だ。

Wintel体制から抜け出す為にAppleが行った事はインターネットを基本に置く事で外付けによるハード的サポートを切る、リッチコンテンツの環境はオープンな規格であるHTML5の採用とFlashのような単一企業に開発体制を依存するインフラの排除であった。

しかしこのオープンなHTML5リッチコンテンツの環境に持って来た事で主流ではないCPUやAndroid等々のOSからオープンであり後発であるが為にFLASHSilverlightのサポートが遅れる可能性が高い物であってもAppleが普及させてつつあるオープンなHTML5をサポート出来さえすれば互角に戦える可能性がある「自由」への道がここに生まれたともいえる。

もしかしてAndroidAppleが塩を送った格好になっているのかもしれない。

関連
アドビの64ビット版「Flash Player」の行方--提供中止の理由と今後の方針 - CNET Japan アドビの64ビット版「Flash Player」の行方--提供中止の理由と今後の方針 - CNET Japan アドビの64ビット版「Flash Player」の行方--提供中止の理由と今後の方針 - CNET Japan このエントリーをはてなブックマークに追加