不可解なパソコン購入!?1200億円の謎。+ 学校地デジ化647億円 2009年05月02日

4月28日の報道ステーションで1200億円で200万台のパソコンを新たに学校に導入するとの内容が流れていた。

衆議院インターネット審議中継
http://www.shugiintv.go.jp/jp/index.php

2009年4月28日 (火) 本会議 鳩山由紀夫 の部分をクリックしてもらって7分40付近から8分50秒付近までが質問の該当部分でそれに対する麻生総理の答弁が29分15秒から30分15秒までの部分である。

要約して書くと

鳩山 コンピューター室があるのに新たに200万台もいるの?

麻生 先進国の水準が生徒3.6人当たり一台なのでその水準まで持って行きたい。現状はおよそ半分の7.3台当たり生徒一人の状態だ。

ということらしい、でもおかしくないだろうか。

現状の倍に増やすということは現状ある台数の倍である400万台を用意するか、現状のパソコンを維持したまま200万台用意することになる。

つまり性能差がかなりあるパソコンを使い分けなくてはならない。

古いパソコンではタイピングの練習やマウスの操作などの基本動作として新しいパソコンでは動画の作成や編集などよりマルチメディアの方向に振り向ける形なのか、麻生総理が発言した通りパソコンを利用し教科書やノートを大きく表示したり書き込んだり映像を活用してわかりやすい授業に使うのかだ。

もし麻生総理の発言通り普通の授業にパソコンを活用するというのであればそれは大いなるムダであると言えよう。なぜならノートや教科書といった紙媒体の方が使いやすさや安さの観点で数倍優れているからである。近づければ大きく見え、遠ざければ小さく見えるといった動作をシームレスに行う事はパソコンでは実は難しい、また映像を活用してとあるがそんな物は十数年前からやろうと思えばテレビとVHSを利用して出来ていたはずであるし私の時代でもサウンド・オブ・ミュージックを授業で見る機会があった。

今で言えばDVDがそれに当たるだろう、現状でDVDプレーヤーは一台3000円程度であるしDVDのプレスは1000枚で一枚60円程度であることからそれらを活用したり、そのDVDに入っている内容を動画共有サイトで公開すれば生徒は自分たちがみたい時間に見ることが出来る。学びたい生徒の事を考えれば授業中しか見ることが出来ない状態なのは論外なのだ。

またパソコンの導入値段にも疑問がある、上で書いたとおり今までと同じ内容をを教えるのであればわざわざ新品のパソコンを導入する必要はない。年間に100万台とも200万台ともいわれる廃棄予定のパソコンを利用すれば一台当たり1万円もしないはずである。

新品のだとしても1200億円で200万台つまり一台6万円は高すぎる。どうもミニノートが市場に出る以前の価格と勘違いしているのではないかと思わずにはいられない。たとえば3年前に自衛隊に納入されたパソコンは

意外に普通? 防衛庁Winny対策PCの中身は − @IT
http://www.atmarkit.co.jp/news/200604/18/jda.html防衛庁Winny対策に5万6000台のパソコンを40億円でデルから調達:ITpro
http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20060413/235298/

デスクトップパソコンが69000円 ノートパソコンが76000円程度となっており、当時のパソコン価格や仕様の特殊さを考えると妥当と言える価格になっている。

だが、しかし今回は60000円である。求めている仕様については分からないがノートパソコンで求められる性能と価格であれば本体が2万円15インチ液晶が6000円その他キーボードマウス3年保守で4000円で合計3万円程度でも日本の教育機関に納めるという条件でしかも200万台ともなれば手を挙げる企業は必ずいるはずだ。

たとえばDELLであれば

Dell Inspiron Mini 9 Ubuntu Linux version 8.04.1
Obsidian Black
1Yr Ltd Warranty and Mail-In Service
512MB DDR2 at 533MHz
4GB Solid State Drive
No Camera Option
IntelR Atom ProcessorR N270 (1.6GHz/533Mhz FSB/512K cache)
Glossy 8.9 inch LED display (1024X600)
Intel Graphics Media Accelerator (GMA) 950
Wireless 802.11g Mini Card
32WHr Battery (4 cell)

これで185ドル(送料無し)100円レートで計算すると18500円である。

激安 Dell Inspiron Mini 9 | 特売USA
http://tokubaiusa.com/2009/02/27/%E6%BF%80%E5%AE%89-dell-inspiron-mini-9/

OSがLinuxじゃないか!と指摘されるかも知れないがミニノート向けに卸されているWindowsXPは20ドルともいわれ十分に3万円のラインに納めることが出来るだろう。それ以前に日本の教育用パソコンのOSをLinuxに代えられるのとWindowsを無償提供するのどっちがいい?とマイクロソフト相手に交渉すれば間違いなくWindowsを無償提供せざるえないだろう。

さらに言えばパソコン等の電子部品や電子機器は基本的にアメリカドルでの取引であるから外貨準備高を利用して満期になった米国債を円に換えることなくパソコンとして現物調達すればレートの影響を受けないで取引ができる。元々、日本のパソコンメーカのシェアは世界的にみて非常に低い為に有利な価格で部品調達が難しい上、高級モデルのノートパソコン以外は設計段階から台湾のメーカーが作った物を日本のメーカーブランドで売るOEMや日本のメーカーが台湾メーカーに発注して作るODMという体制を取っている為(ある調査では日本製の部品はボタン電池のみ、あってもコンデンサレベルとされる、HDDとメモリの極一部のみ国産)、日本での雇用に繋がるのか疑問がある。(デスクトップを国内組み立てしているのはNECやヒューレット・パッカードなど一部のみ)

あなたなら200億円でとりあえずパソコンの基本動作を教える環境を作るのか、600億円でより高度なマルチメディア機能を学習するようにするのか、それとも企業の利益を考えて600億の倍の1200億円にするだろうか。

情報化関係予算等_平成21年度
http://www.eeaj.jp/public/doc/main_02_budget_h21.html

学校のコンピュータ、校内LANの整備(公立学校) (1,420億円)

地上デジタルテレビ(電子黒板を含む)の整備 (667億円)


ソフトバンクの孫さんが言っていた電子教科書の話を見て引っ張り出してきました。